文学と占いは相通じるものがある

小説家になることを諦めた男のつぶやきです。

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2015-01-01から1年間の記事一覧

ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿る訳-8

湯気が立ち昇っていない。沙希は水のシャワーを浴びているのだ。 「なぜ、水なんだ」 「夢を流すには、水が最適なの」 「夢が流れきる前に、もう一度君を抱きたい」 「・・」 「君をもう一度抱きたいんだ」「無理・・」 「どうしてだい」 私は無理やり沙希を…

ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿る訳-7

「信じないでしょうけど、こんな事初めてよ」「こんなこと?」 「酒場で知り合った男と、ホテルでこんなこと する事よ」 沙希の唇が私に、軽く触れた。 そのまま、強い口づけをしようとしたが、いやいやをするように顔を離すと ニコリと笑った。 「帰らなき…

ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿る訳-6

「あのね。いいこと教えてあげましょうか」 「いいこと?」 「そう。素敵に縁起のいいことよ」 「ビーナスの話かい」 「残念。悪魔の話」 「宇宙の次は悪魔かい」 「ふふ・・あたしに関あり会う男は、みんな不幸に なるのよ」 「で・・?」 「だからあたしは…

ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿る訳 -5

「あたしのこと・・すき」 「どうして」 「聞いちゃ いけなかった」 「好きさ。好きでなきゃ・・こんな事しないだろ」 私は沙希を抱きしめようとしたが、そのままスルリとすり抜けると私の背後に回った。 私にまきついた沙希の腕は、金属のライターのように…

ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿る訳 -4

「さき・・さき だったよな確か」「やっと思い出した、、て顔ね」 「ふくだ さき だったよね」 「ふくだ さき さんでしょ」 そう言うと、また、コロコロと笑う。どう考えても、感性は私より年上だ。 居酒屋で偶然隣合った女だ。 真っ白なスーツに身を包んだ…

ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿る訳-3

思いついたように煙草を吸おうと手に取ったが、そのまま下に落としてしまった。 「あんた、いい人ね」 「・・・」 そう笑うと、女は、ベットの隅に投げ捨ててあったバスタオルを掻き寄せると、器用に胸にまいた。 「目の保養はこのくらいの時間が丁度なの」 …

ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿るー2

「何考えてたの」「ん・・」 「あたしが寝てるふりしてた時」「寝てなかったのか」 「怖い顔してたから、寝たふりしてたの」「怖い顔なんかしてないさ」 「じゃ、面白い顔に訂正してあげる」「おもしろいことを言う人だ」 「ねぇ・・私の名前覚えてないんで…

(目次) ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿る訳 

(目次) ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿る訳 -1 ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿る訳 ー2 ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿る訳 -3 ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿る訳 -4 ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿…

ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿る訳 -1

女を抱いた後の寂寥感は空しい。 白けた暗闇の水たまりが、心のあちこちにできあがるからだ。やがてその水たまりが、一つの塊になって、一気に私の心を(ストン)と異次元に放り投げる。 そこでどうなる。 白けたまま、煙草をふかし、動揺を見透かされないよ…

小説の館 もくじ

好きな小説をお読みください ★詩の館へ (思いつくまま気ままな詩です) ★小説家になろう小説家支援のページ ★小説家になるには ★小説家になるにはどうしたらいいんだサイトの研究 ★サイト小説家になろうで有名になるにはの研究 ★秘密基地(個人的覚書) ★映…

映画 図書館戦争 THE LAST MISSION 感想

図書館戦争 THE LAST MISSION見てきました。 有川浩ファンとしてはどうしても外すわけにはいきません。 まずは映画のストーリーから。某映画サイトの広告をそのまま転記しちゃいます。ーーーーーーーーーーーーーーー近未来の日本。国家による思想検閲やメデ…

小説家になりたい人が過去の芥川受賞者を調べて嘆くお話

さて私達小説家の卵は果たして職業作家になることができるだろうか。 継続は力なりと言われるが、果たしてこの諺が実を結ぶためには私達は幾万年生きなければならないのだろうか。 まずは作家の登竜門の代表と言えば芥川賞だ。2000年代に受賞した作家さんを…

【小説 赤い携帯】  さよなら・・   最終章

「先輩、今のが答えだと受け取っていいんです ね」「・・・・・・」「東京に、一緒に来てくれるんですね」 どこまで知ってるんだろう・・このこ・・ そう思いながらも、薫はゆっくりうなずいて見せた。 それでも、まだ心配そうに薫を見つめている。 及川が東…

【小説 赤い携帯】  こんな携帯折ってやる!

「及川君」 空を見つめたまま薫が及川に言った。 「はい」「及川君お願いがあるの」「は・・はい」「これ、海に投げ捨ててくれる」 薫は、自分の携帯を及川に渡した。 突然携帯を手渡され、及川も驚いた。 「先輩、携帯捨てちゃっていいんですか」「いいの」…

ミトコンドリア

くしゃみをしたら 鼻から腸が出た慌てて押し込むと 当たりを見渡した誰もいないあくびをしたら くちから肺が出てきた 慌てて押し込むと 当たりを見渡した誰もいない 耳垢を取っていたら 眼球が引っ掛かった 慌てて押し込むと 当たりを見渡した誰もいない体の…

【小説 赤い携帯】  そうよね五年は長すぎるわよね

埠頭の広場につくと、薫が車を駐車する場所を指定してきた。 海岸に一番近い端っこの駐車場だ。 「少し歩きましょ」 及川の返事も待たず、薫は一人先に出ると、そのまま海岸べりに向かって歩き出した。 真っ赤な、高いヒールをコツコツ鳴らしながら、薫は前…

プリンを食べるといいんだよ

心が荒れているときはプリンを食べるといい心がすさんでいるときもプリンを食べるといい嫉妬に狂う時も 怒りに震えるときも 唇を噛み締め血が滲んだときもプリンを食べるといい ある日誰かが言ったプリンってどこにあるのかと プリンはどこにあるか 誰もが知…

【小説 赤い携帯】  捨てられない缶コーヒ

車の中では無言だった二人。 星空に押しつぶされそうな車内で、聞こえるのは、時折放つ及川の空咳のみ。 堤防の細い道は、そのまま闇の中に車を引きずり込もうとしているようだった。 聞きたい事は山ほどある。YES・NOの返事も聞かされていない。 及川…

【小説 赤い携帯】 先輩答えてください

「先輩。答えてください 」 頭を下げたまま、及川が悲痛な声で叫んでいる。 いさぎよい。 ほれぼれするほど潔い。5年待っててくれと逃げ去った勝也とは大違いだ その「5年待ってくれ」の言葉にしがみついて生きてきた薫とは大違いだ 戻さなきゃ。時を。突…

【小説 赤い携帯】  会社辞めます

「先輩。答えてください」 及川が土下座したまま催促してきた。 「返事をください」 「お願い。頭をあげて」「嫌です。返事を聞くまではこのままでいます」 「東京には行くべきよ」「先輩と一緒になら行きます」「そんなわがまま会社が許すわけ無いでしょ」…

【小説 赤い携帯】 及川のいない生活なんて考えられない

顔どころか、全身が火照ってしょうがない。 目の前で土下座する及川を見て、薫もどう対応していいのか戸惑っていた。 及川が、、私にプロポーズ。私が、及川の、お嫁さん及川と私が一緒に。 初めて及川が赴任してきた時、当時課長だった吉木が、 「ひ弱そう…

【小説 赤い携帯】 お願いです。一生のお願いです

言いたい事を言いきったのか、及川はすっきりした眼差しで薫を見つめていた。 長い演説だ。 この男にこれだけのボキャブラリーがあったこと自体(感動)だ。 あの無口の、あの照れ屋の、あの奥手の、あのどうしようもない及川が、今、たらたら、演説した し…

夢の屑

夢を喰らって生きてきた バリバリ、ガリガリ 夢を見ては喰らってきたいつしか体は夢でパンパンに膨れてきた気づかなかったのだ 喰らった夢は蓄積されるなんて地に足がつかず 時々浮いたりもしだした夢を喰らうのはもうやめようと そう思うのだが 体は言うこ…

【小説 赤い携帯】 僕を好きにさせたのは先輩のせいですから

「なによ・・その義務てのは」 「僕をここまで先輩を好きにさせたのは、先輩 です。好きにさせた責任は取ってもらわない と困ります」「なによ・・それ」 「部長から東京赴任を打診された時から決めて いました。 僕一人では東京には行けないと。 大阪に先輩…

【小説 赤い携帯】 先輩には僕のプロポーズを受ける義務があります

「先輩、一緒に東京に来てください」「え・・」 何か遠い向こうで及川が叫んでいる。必死の形相だ。 聞き間違いかと思ったが間違いなく、言っている。 「お願いです。僕と一緒に東京に来てください」 「えっ、何言ってるの。聞こえない。何言って るの」 「…

小説家になるんだ!どうしたらいいんだ、そんな人の為に小説家サイトの研究をしてみました

【WEB小説】あなたも作家デビュー!?小説投稿サイト104選!【ケータイ小説】 このサイトに104のサイトが紹介されています。 104は多すぎますからまずは世間で言われてる代表的なサイト ライトノベル向け 「のべぷろ」 - ライトノベル向けが強い小説投…

【小説 赤い携帯】 祝ってあげなければ、私は先輩なんだから

及川が東京に・・ 考えてもみなかった。それだけに、薫が受けたショックは大きい。 及川の東京赴任もさることながら、それを聞いた自分の狼狽ぶりに愕然としたのだ。 喜んであげるべきだ。笑顔で、肩を叩き 「やったじゃないか」 そう言って、軽い抱擁でもし…

小説 赤い携帯 あらすじ

薫はバリバリのキャリアウーマン 後輩の及川とは良きパートナー 及川は人の良い男。薫の面倒を公私共に面倒見ていた。というより こき使われていた。 薫には音信不通になっている恋人がいる。 いい加減な男でフランスに行くと薫の前から消えてしまった。 自…

【小説 赤い携帯】 及川がいなくなる 嘘でしょ

「いいから話しなさい」 星空を見ようと言って窓から離れない及川を、窓から引きはがすと、薫の前に座らせた。 「とにかく話しなさい」 まるっきり子供だ。ピシャリと窓を閉める。 話しが先に進まない。 あんたが話したい・・って言ってきたのよ。それがなに…

黒い言霊

目を閉じると現れる言霊 白く淡く透明であれば 素敵だが 現れる言霊は 真っ黒黒光りした言霊の表面は ぬめりとして 不気味慌てて目を開けても もうだめだ 黒い言霊はニタニタ笑いながら 大きく口をあけると そこらじゅうの 存在を飲み込み 無にするパクパク …