文学と占いは相通じるものがある

小説家になることを諦めた男のつぶやきです。

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全てがうまくいく八割行動術を読んで

全てがうまくいく八割行動術。
いわゆるハウツー物だ。
ハウツー本にあまり期待してはいけない。
全て本当のことを書いているとは限らない。

見栄もあるだろう、読者を意識し、相当デフ
ォルメした表現で書かれているから、大概そ
の通りにやってうまくいくためしはない。

俺様はこの通りにしたのだが、なに、お前は
成功しなかった・・・そりゃ素質、能力のせいさ
どだい、無能な奴が成功できると思うこと自体
浅はかだ・・・なんて、言われるが落ちだ。

まあしかし、成功者の論だ。
丸ごと嘘はないし、それなりの筋は通っている。

ハウツー本を読む心構えは、一冊の中で一つか
二つ、これはと思う宝石ならぬ原石を見つけら
れればいい。
決して宝石ではない。

成功者が書いたのだから、そのハウツーは宝石
であると思うのは勝手だが、成功者にとってそ
れは磨き上げられた宝石ではあるが読む側に宝
石などいらぬ。
同じ原石を手に入れ、磨き上げ宝石にするための
ハウツー本だ。

これはと思う宝石を見つけたら、それを持ち上げ
ゆっくりと分解するのだ。
装飾を壊し、中に潜む潜む原石を見つけた時
初めてそのハウツー本を読んだ価値がでてくる。

一冊の本に原石はいくつも落ちている。
しかしそれが万人に当てはまるとは限らない。
自分に合う原石を見つけ、磨き上げる自信が
あったら、その原石を使ってみればいい。

で、、この本の感想だ。

仕事はメイッパイ頑張らず八割でいい。
そうこの筆者は述べているのだが、ちょい待ちだ。
一体全体自分の仕事に対する取り組みが何割であ
るかわかる人など無い。
あまりにもアバウトなネーミングで、まずはそこで
引っかかる。

八割ってどの程度なんだと
そう私は難癖読者ですから(笑)

私に限らず、おそらく大多数の人が、仕事に全精
力を注ぎこんでなどいないはずだ。
言われなくとも八割、いや時によれば、半分も注
いでいないかもしれない。

この筆者と立つ前提がすでに違っている。
おそらくこの作者さんは何事にも全力で取り組む
人なんだろう。
そんな人は八割以前、元々成功しますよ。
何しても。

そんなひがみ根性を持ちつつ、しかしせっかく買
ったのだから、原石を見つけなければと、都合よく
解釈すれば、人生の中で仕事八割、残りの二割は
趣味に当てなさいと、そんな意味にとらえれば、
しっくりくる。

しかしだ。
私、言われなくとも、仕事八割、趣味二割、い
やいや、仕事五割趣味五割でやってるぞ・・。

面白いのはこの作者さん。
八割の仕事術で、病院から目をつけられ挙句
辞職に追い込まれたのだから、いかんでしょ。

このお方は作家としての才能があったのだから
結果成功と言えますが、それは八割理論ではなく
他に理由があるんじゃない?と勘繰りたくも
なりますよ。

・・・とまあ、ボロクソニ書いてきましたが
じゃあこの本は(糞本)かと問われればそんな
事はありません。

宝石はゴロゴロありました。
前半部分に集中して。

前半は人間の幸福論について、脳科学を基本ベー
スに説いています。
この説明が、ストンと腑に落ちるのです。

幸福と感じるメカニズムについて含蓄ある
研究結果が列記され、これはもう読む価値
おおありです。

幸福と感じる二つの要素
ドーパミンセロトニン
この二つのウンチクを科学的にわかり訳す
説明しています。
この部分は読むだけで宝石、いわゆる知識
としての栄養価抜群です。

八割行動術として読むのでなく、幸福論として
読めば、それなりに宝石を見つけ出し、あるい
はその中に、自分に役立つ原石を見つけること
ができるかもそれません。

前半部読み返し、後半部流し読み、をお勧め
します。