文学と占いは相通じるものがある

小説家になることを諦めた男のつぶやきです。

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小説 煙突掃除は危ないらしい (一話完結)

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お月さまが太陽に言ったそうな。

煙突掃除は危ないらしい・・・

 

昔々のお話だ。
試験の話だ。
試験にすべり続ける男の話だ。

男は悩んでいた。
明日は進級試験だ。
この試験にすべれば、家に帰らなければならな
い。
試験に落ちるは、もうこれで4度目。
親から、5度落ちたらもう次は無いと釘をささ
れている。
今度こそは、何がなんでも受かるしかない。

一計を案じた。

試験会場の隣の部屋から、天井伝いに試験会場
を天井からのぞくことにした。

早い話・・カンニングだ。

良心の呵責は感じるが、背に腹はかえられぬ。

試験が始まると、隣部屋の天井から、試験会
場の上まではっていった。

会場はおりしも、試験の真っ最中。

教師が、生徒に尋ねていた。

「では聞く。
 二人の生徒が煙突掃除をした。
 一人はススで顔を真っ黒にして下りてきた。
 もう一人は、まったくススをつけず綺麗な顔
 をして下りてきた。さて、顔を洗うのはどち
 らの男の子か」

生徒は、しばらく、考えたが、大きな声で答え
た。

「もちろん、顔が真っ黒になった方の子が顔を
 洗うはずです」

教師は、悲しそうな顔をした。

「残念。今回は君は落第だ」

「どうしてですか。じゃあ答えはなんですか」

「顔の汚れた男の子は、きれいな顔の男の顔
 を見て自分の顔もきれいだと思う。かたや
 顔のきれいな男の子は顔の真っ黒の男の子
 を見て、自分の顔も真っ黒だと思う・・
 どうだね。正解がわかったかね」

慌てて、控室にもどると、男はほくそ笑んだ。
これで、もう合格はまちがいない。
手段は褒められたものではないが、まあ、とに
かく合格しなければならないのだから。

順番がきて、試験会場に呼ばれた男は、教師か
ら問題をだされた。

同じ問題だ。しめしめ・・

「もちろん顔のきれいな男の方が顔を洗います」

男は自信をもって答えた。
すると教師は悲しそうな顔をした。

「残念。今回は君は落第だ」

「どうしてですか。じゃあ答えはなんですか」

「二人の男の子が同じ煙突を掃除して、一人
 がきれいな顔で、もう一人が汚い顔で下り
 てくるなどありえない話だ」

「そんなの変だ。詭弁だ。いんちきだ」

男は怒り狂って部屋を出た。
出るとそのまま、自室に戻ると、カバンから
拳銃を取り出し教師のもとにもどった。

そして教師に拳銃をむけると、そのまま発砲
した。
教師は胸から血を流し死んでしまった。

すると、
あちこちからその音を聞きつけ人が集まってき
た。

自暴自棄になった男は、弾が無くなるまで、そ
こいら辺に向けて、拳銃を撃ちまくった。

誰が通報したのか軍隊が現れた。

なにを思ったか軍隊の誰かが、その男に向けて
大きな爆弾を放った。

大きな爆弾は、学校全部を爆破してしまい後に
は残骸しか残らなかった。

それを聞いた隣の国の軍隊が、自国を防衛しな
ければ・・とその国に爆弾を打ち込んだ。
この際ついでだとばかりに、爆弾を雨あられの
ごとく打ち込んだ。

ミサイルは隣国をこなごなにしてしまった。

すると、それを見ていた、また別の国の軍隊が、
我が国が攻撃されたらかなわないと、ミサイル
を撃った。

それを見ていた、また別の国の軍隊が、また同
じようにミサイルを・・・

そんな事が続いていたら・・・地球が怒って顔
を真っ赤にしてしまった。
おまえらにはついていけない・・ええいこうし
てやる・・そういうと地球は大爆発した。

ぼかんと爆発し、地球は宇宙の塵になってしま
った。

なんにもなくなってしまった。

宇宙の塵と化した地球を見て

お月さまが太陽に言ったそうな。

煙突掃除は危ないらしい・・・

 

    終わり