小説と詩を書く 大阪文学学校はオモロイヨー

大阪文学学校ってご存知ですか?詩と小説を語り合い、書き綴る学校です。文学に興味を持つ仲間達の梁山泊です

ca-pub-9247012416315181

ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿る訳 ー10

f:id:fuura0925:20151101141938j:plain

 

「私は、そういうめんどくさい人間なんだ」
「抱きあって・・それでいいじゃない」

「君の瞳はそう言ってない」
「私の瞳が?」

「君の瞳も悔いている。」
「私は何も悔いてはいないは」

「私たちは、どうやら、出会う扉を間違えて開けてし
 まったみたいだ」
「扉・・?」

「出口から入ってしまったようだ」
「何を言ってるか、よくわからないわ」

「じゃあ聞くが、この先何があると思う」
「何がって」

「このままシャワーを浴びて、服を着て、ホテルを出て
 、それでバイバイ」
「それのどこが悪いの」

「それでいいのかい。本当にそれで」
「出ましょうか」

礼子が両腕で身体を覆った。
水シャワーはさすがに冷たい。

寒いのは私だけではなかったようだ。
外は真夏。

空調がかかってるからといって、凍える寒さではない。
この寒さは水シャワーだけのせいではなさそうだ。

内側からの寒さは、強烈だ。

酔いに任せて抱き合ったベットの片端側に、私たちは
見合うように腰をおろした。

「愛だの・恋だの・そんなものは私にはもう無縁」

沙希はバスタオルで全身を覆い隠していた。

   続く

 

←戻る   進む→