文学と占いは相通じるものがある

小説家になることを諦めた男のつぶやきです。

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荒川洋治の文学観

大衆小説をよろこんで読むのは、純文学の文章の深い楽しみを知らないからだろう、とぼくはいとも単純に考えている。ほんものの文章の味を知らないので、話題性やストーリーだけに、たのしみを見るのだ。かわいそうに、とぼくは思う。いまはとても、こんなことは言えない。言ったら、ばかにされるだけだろう。
 大衆文学への人々見方は「進化」した。変わったのだ。

「本を読む前に」荒川洋治著より抜粋

 

荒川 洋治(あらかわ ようじ、1949年4月18日 - )は、日本の現代詩作家、随筆家である。愛知淑徳大学教授。本名の読みはひろはる。

 

ある講演会で彼が述べた講演を要約した話が載っていた。

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先生は、早稲田大学で教鞭をとられていますが、学生の95%は新聞を読まないとのことでした。また、教科書から詩が消えつつあることを嘆かれ、今の時代は、自分がとても大事で他人のことには興味がなく、「本」は他人が書いたものだから興味がもてないのだ、と話されていました。
今回の講演会の中で本のリストを配布され、そのリストのポイントは、詩や俳句・短歌も入れてあること。文学部を出た生徒は就職に不利な時代であるが、「文学は実学である」ともおっしゃられていました。すぐにわかる言葉だけを受け付けるのではなく、言葉の奥にあるものを見ようとすること、想像力を掻き立てる詩や俳句・短歌を大事にすること。また、働く現場や日本の歴史を描いた作品、こういったものを読み、考えることで実生活で役に立つ人間になれると力強く話されていました。
最後に、「これまで文学にはいっぱいいいものがあるのに、私たちは味わい尽くしていない」という言葉で締めくくられました。

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いいことを仰る
文学に対する造詣が半端ない。
私ごときがとやかく言う事ではないのだが・・・

「今の時代は、自分がとても大事で他人のことには興味がなく、「本」は他人が書いたものだから興味がもてないのだ」

果たしてそうだろうか。
他人に興味のある人々の比率は私は昔も今もさほど変わらないと思っている。
優れた若者は私の周りにも沢山いる。
どうしようもない、ジジババもそれこそ沢山みかける。

人間の本質はなんら変わっていない。
思う側の偏見だと思う。

他人が書いたものだから興味が持てない、、などと認識していればそれはあまりに上から目線の言葉だと思う。
読まなくなったのを読者のせいにしちゃいけないと思う。

価値観多様な時代で「本を読む」ための時間を割いていいと思える本を書けなくなった、作家側にも責任の一端はないのか真摯に反省しないと、この先本はどんどんすたれていく。

 

今や作家もいい作品を書いているだけで、それでよしという時代ではなくなってきた。

勿論出版界全体の話ではあるのだが・・・

 

読書の醍醐味を知ってるだけに、私はそれが悲しい

すたれてほしくはないのだ 本を読む素敵な快楽の世界を