放たれた矢
空に放たれた一本の矢
とどまるところを知らない勢いで
飛んでいく
だれが放ったのか
どこに放たれたのか
誰も知らない
矢は勢いよく飛んでいく
途中隕石やら
ロケットやら
星の破片やら
魂の破片を貫いて
それでも矢は止まらない
ひょっとして
矢は宇宙の端を目指して
とんでいるのか
ひょっとして
自分の意思で飛んでいるのか
ならばわかる
あの勢い
あのはつらつさ
矢に問いかけるやからがいた
おいお前、俺をさせるか
最初は無視していた矢は
やからの一言で太さを
ふとらせた
お前は弱虫だ
矢は突然方向を変えると
やからに向かって突き進むと
やからの体を貫いた
はぜてやからが細切れになると
矢もはぜ
宇宙もはぜた
結局闇しか残らなかった