文学と占いは相通じるものがある

小説家になることを諦めた男のつぶやきです。

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桜の木の下に

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やってられないわ❗
彼女は皿を投げ捨てた
意味がわからない
私は起き、歯をみがき
トーストを焼いてただけだ

やってられないわ❗
また皿を投げ捨てた

雨の日、迎えにいかなかったからか
晴れの日、浮かれてあげなかったからか
夕陽の紅が雲に隠れすぎていたからか

それとも
それとも
それとも

私は唇を拭った

歯磨き粉にまみれた
白い唇は
あの日の夕陽のようだ

やはり僕か
僕のせいなんだ

君が割った皿の破片は
今はもうない
あるのは傷付いた
えぐれた床と
私の滴るような紅い
心臓の鼓動だけ

そういえばどこに殺ったのだろう
あの割れたお皿の破片
ひょっとしたら
ひょっとしたら

君が抱いたまま行ってしまったのかな

ふと庭先を見てみると
桜の木があった
根元の土が真新しい

ああ
あそこに埋めたんだ
桜の木の下に

そう、桜の木の下に

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