満月の夜は願いが叶うらしい
満月の夜は願いが叶うらしい
月に向かって願い事を言ってみた
僕を殺して下さい
僕をこま切れにして下さい
コマ斬りにして飢えている動物たちに与えて下さい
でも何も変わらない
僕は相変わらず卑しく
卑下したまなざしで
オドオドと情けないくらいに
大地にひれ伏している
土を喰らえばいいのか
水と戯れればいいのか
火を放てばいいのか
教えてくれ
僕を僕を喰らうには
何が必要なんだ
涙すらでやしない
もう一度月を見上げてみた
雲に隠れちまっている
いつもこうだ
いつもこれなんだ
月も太陽も
風も雨も
みんな僕を突き放す
僕は地に帰ることすらできないのか
振り向くとそこに
母が立っていた
ただただ、ボーッと