文学と占いは相通じるものがある

小説家になることを諦めた男のつぶやきです。

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赤鬼野郎

生あくび

大きく息を吸い込み

吐き捨てると

頭がクラクラ

 

クラクラ クラクラ

クラクラ クラクラ

 

そこに小さな赤い鬼

親指ぐらいの大きさのくせに

妙に生意気な態度

 

緑の舌をチロリとだし

色付きの息を吐き

唾をまき散らし

踊り喋る

 

ケッケ ケッケ

ケッケ ケッケ

 

潰してやろうと腰を屈めたら

赤鬼やろう

ニタリ笑い私の目をついてきた

 

慌てて目を閉じると

赤鬼やろう

手をすり抜け私の中に入って来た

 

体の中にスーッと

入り込んでいく感覚がする

 

心のあたりをぐるぐる回り

最後にチクり、私の心を刺した鬼野郎

 

そのまま私の心の中に

ぺたりと座り込んだ

妙にしっくりしている

 

まるで昔からの居場所のように

 

時々散歩するんだよな

私の中の本性

 

その時だけ

唯一私は

偽りの衣をまとった人間に戻れるようだ

 

私は人間なのか

或は鬼なのか

 

ふーむ

 

誰に聞けばいいのだろう