文学と占いは相通じるものがある

小説家になることを諦めた男のつぶやきです。

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白い悪魔

白樺の木が倒れた

真ん中から縦に裂けて

 

その裂け目からぬうと現れた

白き悪魔

悪魔のくせに白だとは

 

鼻の先で笑ってやると

近づいてきて

臭い息を吐いてまくし立てた

白い悪魔がだ

 

白で何が悪い

悪かないさ

しかし、お前今笑ったろうが

ああ笑った

悪くないなら笑う必要ないだろうに

 

殆ど私の顔にくっつかんばかりに

まくしたてる

白き悪魔

 

あまりに臭いので

指先で弾いてやった

 

ふん

白い悪魔なんて所詮そんなもんさ

 

私は背中に隠した羽を広げると

大空に羽ばたいた

 

 

悪魔は黒いんだよ

悪魔は

 

下を見れば、私の抜け殻が

舌を出して阿呆顔で固まっていた

 

だから嫌なんだ

白い悪魔に遭うのなんかは