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fuuraの小部屋

小説や本について寡黙に妄想。小説家になろうのサイトで人気を得る研究。小説家になるにはどうしたらいいかを研究。でも結局は、まずは小説と詩を書こう 。

小説 自分探し (二話完結のその1)

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俺は一人旅に出た。

かっこよく言えば「自分探しの旅」
孤高の自分に酔っていた。

普通より確かに、俺は美男子だ。

その証拠に女から何度も声をかけられた。
なにもしなくても、女の方からよってくるの
だ。

もてることには自信があった。
だからこその一人旅だ。

一人旅だが、旅はゴージャス。
自分探しだからといって、修行僧のような惨
めな旅は願い下げだ。

金など、いくらでも手に入る。

俺に貢ぎたがっている女は掃いて捨てるほど
いる。
金に糸目などつけない、優雅な自分探しの旅
だ。

山奥の頂上に立った、超一流のホテルに泊ま
った時だ。

自分探しの旅に出て、はや一週間。
退屈の虫がうずき始めていた。

そのホテルは、セレブな貢ぎ女から聞いたホ
テルだ。

展望のいい、端部屋を頼み、ベットで仮眠を
取った後、気まぐれにレストランに向かった。

いつもは、部屋に食事を頼むのだが、さすが
に一週間、会話らしい会話もないと、人恋し
くなる。

たまには、大勢いるレストランで食事でもす
れば、目先が変わっていいだろうと、思った
のだ。

そこで女が寄ってきた。
一杯奢ってと・・ごく自然に。

素晴らしい女性だ。
柳のような物腰でありながら、言葉は凛とし
てきつい。

「なんて名」

「とおる」

お決まりのパターンだ。

容姿は徹が気に入ったのだから、もちろん
超美人だ。

誰もが、高嶺の花と思うその女性が、徹に声
をかけてきたのだ。

当然だと、徹は思った。

俺ぐらいの男になれば、この程度の美人でも
惚れるものさ・・所詮女はイケ面には弱い。

だから、惚れられることに何の違和感も抱か
なかった。

女の名前は、エリカといった。
嗅いだ事のない香水は、さすがの俺をもって
しても理性が揺らぐ。

一目で気に入ったのは、女の方から自分に言
い寄ってきたからだ。
こんな女は、あとくされがなくていい。
遊ぶには、もってこいだ。

少しぐらい美人だからと思い、うぬぼれてい
るに違いない。
俺に惚れたが、運のつき、世の中そんなに甘か
ないことを、教えてあげなければ・・

失敗は、次の人生の成功の糧だ。
俺はいわば救世主。
喜んでもらわなければ。

屋上のバーで、俺の肩にしなだれかかりながら、

「今夜あなたの部屋に行っていい?」と言われ
れば、断る理由はなかろう。

なんなら部屋を引き払って、二人で新しい部屋
に移ろうかと相談が決まるに、そう、時間はか
からなかった。

せっかくだから、スイートルームを予約した。

ご夫婦ですかと、カウンターで聞かれれば、
面倒くさいので「はい」と言う。

それで、スイトールームに簡単に移れれば、そ
れでいいじゃないか。

夜の甘さもまた、格別だった。
朝まで何度も、堪能した。

そんな甘美な生活を、三日も続けていれば、さ
すがに疲れる。

というより、飽きがきた。

刺激は、強ければ強いほど、飽きが来るのも早
い。
赤ワインを何本もあけた時、エリカが、秘密カ
ジノの話を耳元でしてきた。

知ってるふりをしながら、エリカから聞き出し
たところによれば、このホテルには、秘密のカ
ジノバーがあるという。

勿論違法だ。

紹介された人間しか入れない。
どうやら、エリカはその部屋にはフリーで入れ
るようだ。
行きたければ、紹介してあげるわよ・・と耳元
で囁く。

はは、、ん。

俺を金持ちと察して、さては、カジノに誘うの
が目的だったのか・・

身ぐるみはぐ気だろう
俺に近づいてきたのはそのためだったのか。

少し興が冷めたが、まあ、そんなことはどうで
もいい。
エリカの肉体は堪能した。

もう未練はない。
新しい刺激が、待っている。
だまされたふりして、乗っかってみるのも、一
興だ。

カジノに連れてって欲しい・・
俺は、エリカにそういってウインクした。

エリカが、嬉しそうに、また俺の上に覆いかぶ
さってきた。

やれやれ・・ご褒美はもういいのに・・

        つづく

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