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fuuraの小部屋

小説や本について寡黙に妄想。小説家になろうのサイトで人気を得る研究。小説家になるにはどうしたらいいかを研究。でも結局は、まずは小説と詩を書こう 。

小説 浮気騒動顛末記 6

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津川の娘が私の娘の友人。
おかしな気分だ。
何がどうおかしいのか、詳しくはわからないが
とにかく変だ。

無性に・、嫌な予感がする。危ない・・
胸に埋め込んだ、危険センサーが激しく鳴って
いる。

この第六感は外れた事がないのだが・・

「娘とは・・いつからの友達」
「あはは、気になる」
「少し・・な」
「昔から」
「昔って・・いつから」
「おっちゃん達が悪い事する、ずーーと前から」
「・・・」

よく考えれば、娘の友人の事など何もしらない。
加奈ちゃんが娘の友人だったとて、私が知るはずも
ない。
知らなくても、当然だ。

「おっちゃん、どっかファミレス入ってくれへん」
「え・・なんで」
「お腹すいたし。家に帰っても食べるの何もあれ
 へんし」

言われれば確かにそうだ。さっき津川に加奈ち
ゃんが私の家にいる事を説明した。
今一つわかってる雰囲気ではなかったが、とりあ
えずは安心していた。

多江さんは、やはり実家に帰ったままだという。
帰っても、確かに食べるものなど、なかろう。
何か食べさせて帰すのも、当然か。

それに、ひょっとして多江さんの事で何か耳寄りな
情報が得られるかもしれない。
津川には、ああ、いったものの、やはりこのまま放
っていくのもしのびない。
とりあえず、何か形つくまでは、面倒見てやらね
ば・・。

近くのファミレスに車を停めると、店員になるべ
く奥の席を頼んだ。

やはり、微妙な話は奥で、ひっそり語るに限る。
喫煙席しかありませんが・・と言われたが、そん
な事はどうでもいい。
静かであれば、それでいい。

席に案内されると同時に、座りもせずが加奈が
トイレに走った。
なんだ・・トイレに行きたいだけだったのかと苦
笑したがとりあえずは、注文は待ってもらった。

何か飲み物でも・・と思ったが今日は車だ。
さすがにアルコールはいかんだろう。

加奈を無事に家に送り届けるのも私の役目だ

ふと携帯を見るとメールの着信。会社から2本そ
して津川からだ。

愛人優子から連絡が入ったが俺はどうしたらいいの
かと、情けない内容のメールだ。
私が電話にでないものだから、メールにしたのだ
ろう。

別れ話をしろと、あれだけ言ってるのに、何を考
えてるんだあいつは。
優柔不断もいいとこだ。話にならん。

そんな時、加奈がトイレから戻ってきた。

「ごめんなさい」
「いや・・で・・何食べる」

メニューを渡すと、ちらっと見ただけで

「私、急に食欲無くなっちゃった。紅茶だけでい
 いわ」

「お腹は大丈夫なんかい」

「最近少し太り気味で、いいの、一食ぐらい抜い
 たほうが」

どう見ても太ってるとはいえない。むしろ細すぎ
ると思うのだが・・

ま・・いいか。
この年頃の娘の考えることなど、所詮私にはわか
らんのだから。

紅茶と、コーヒーを頼むと、白々と加奈を見た。
我が娘と良く似た服装をしている。

て・・ことは性格も似ているのだろう。
ならば、毒舌だ。
それも、かなりの。

津川の家には何度も呼ばれて行っている。
加奈は家にいれば、かならず話に加わってきた。
津川には結構な毒舌を吐いていたが、私に
は意外と敬語を使っていた。

最近でこそ「ためぐち」で話しかける事もあるが
それでも、それなりの気づかいは見せている。

いい子だ。多江さんの躾がよかったのだろう。
父親があれだけ(ぐうたら)なのによくこんな立
派な娘になったものだ。

「なによ、私をそんなに眺めて・・ははん・・お
 っちゃん私に気があるな」

思わず飲んでたコーヒーを吹き出しそうになった。

「あほ・・」

「あはは、、それ、うちのパパにいつも言ってる
 科白だ」

「飲んだら家に帰ろうか」

「だめ・・しばらくここにいて」

「ん・・どうして」

「ママがくるから」

今度は本当にコーヒーを吹き出した。

「ママ・・?」

「そう、ママがここにくるの」

「なんで」

「おっちゃんと話するために」

「嘘だろ」

多江さんは実家に帰ってるはずだ。

「ママ、実家からここに向かってる最中」

トイレで電話してたんだ。この子。
最初から企んでいたのか・・まさか・・

私の思惑を察知したのだろう。加奈は笑いながら

「御名答。おっちゃんは、私らの罠にはまったの」

罠・・嘘だろ・・おい・・何なんだ、この展開。
許してくれよ・・俺が何したっていうんだ
もう・・嫌だ・・

         つづく

 

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