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fuuraの小部屋

小説や本について寡黙に妄想。小説家になろうのサイトで人気を得る研究。小説家になるにはどうしたらいいかを研究。でも結局は、まずは小説と詩を書こう 。

小説 浮気騒動顛末記 2

小説

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多江から釈放されたのは2時間後。
私てきには、まあまあ心地よい時間をすごさせ
ていただき嬉しくはあった。

友人を裏切らなかったのは、友情の深さではな
い。
私の紳士としての「こけん」以外の何物でもな
い。蹴ればすっ飛ぶ、軽いこけんではあるが、
まあ無いよりはましだ。

色魔に迷って友人を裏切ったとあっては私の良
心が疼く。

しかし、よくよく考えてみれば、口を割らなか
ったのが正義かと問われれば、そこは少し自信
がない。

なにはともあれ「ちくった」という評判は流さ
れたくはない。
正義より、流れに身を委ねる、典型的な小市民
それが私の正体なのだが、それのどこが悪い。

そんな、私にもプライドというものはある。
「ちくり」はしない。
絶対しない。 

なんにしても言える事はただ一つ。
多江さんは美しい。
改めて、今日認識した。

憂いを秘めた人妻は、格別だ。
どう格別だと・・・そんな事具体的に言う必要はない。
格別は、とにかく格別なんだ。

いいものはいい。
違いがわかる男はダンディーだ。
私は男だ・・文句あるか。

久しぶりに悪酔いをしたようだ。
2杯までしか飲まない宣言の禁酒。
今日はボロボロだ。

飲むしかあるまい。
あんな澄んだ瞳で見つめられたら、そりゃ、白
状するなという方が無理だ。

そこをこらえるには・・飲むしかあるまい。
飲んで、飲んで、酔っぱらうしかあるまい。

しかし、多江さん、最後に不気味なこと言って
たな。

「あなたがそこまで、あの人の事庇うならい
 いです。私にも覚悟があります・・」

覚悟ってなんだ・・なんだよう、覚悟って。

胸に手を当てて、思い当ること考えてみた。
あかん・・出るわ、出るわ、ボロボロ思いつく。

真面目な小市民と思っていたが、こんなに不真
面目な奴だったとは・・
私って・・相当悪だぞ。

1ケ月前に飲み屋で、多江さんと偶然出会った。

会社の同僚との飲み会だ。
勿論やましいことはない。
ただ、同僚が、若い女二人だったと言う事だ。

あの年の女を同僚というには、ちと若すぎるか。
しかし、女は二人だ。問題なかろう・・

いや待て、しかしだぞ、、あのあと、、別れて、
私と女が二人きりになったと思われたらやばい、、

当然私の方にはそんな下心あったけど、さすが
若い女の方が役者が上だった。

終電車無くなりますからと、笑顔残して、さ
っさと帰りやがった。

ひどい話だ。

まてよ、あの話はどうだ。
2日前のことだ。

つい気を許し、隠し口座の話を多江さんにポロリ
と口滑らしてしまった。
まさか・・私の嫁に告げ口はせんだろうな・・

多江さんは、私の嫁とは会った事がない。
告げ口なんぞ、できっこない。

しかしだ・・事はなんだ・・あれだぞ・・私の
事憎んでいたら、おいおい・・やばいかも。

なんだ・・なんだ・・おいおい、、なんてこっ
た。

私にまで飛び火してるじゃないか。
今からでも遅くない、本当の事、垂れこみに行
こうか。

多江さん、ごめんなさい、津川の奴浮気してます
はい、騙して御免なさいと、、。

いやまて・・まてまて。
急いては事を仕損じる・・
冷静になれ・・冷静になれ

お前は・・賢いんだ・・今までいろんな難局乗
り越えてきただろうに・・信じるんだ・・
多江さんは信用のできる女(ひと)だ。
津川のような馬鹿とは素材が違う。

信じるんだ、多江さんの「良識」を信じるんだ。

そうだ・・私は少なくとも、多江さんに嫌わ
れてはいない。
だいいち、津川の事を俺に相談してきたじゃないか。
嫌ってたら来るわけ無かろう・・

ん、、嫌われてない・・じゃあ、好かれてるん
じゃないか・・オイ、好かれてる・・

グフ・・くっくっく・・好かれてるって、たま
んねえなあ・・どうしよう、、

「私もう我慢できません、あの浮気亭主とは別れます。
 でね・・私、前前から、あなたの事、、実は好き
 だったの・・」

なんて迫ってきたりして。

おいおい・・急展開じゃないか、たまらんぞ・
・こりゃ・・
ついてきたのか・・私

しかしなんだな、、そう言われても、私にも
嫁がある身・・そうそう・・わかりました・・
とは云えんぞ・・く・・困るね・・これは・・


つまらん妄想にふけっていたら、カーネルサンダーの
看板に思いきりぶち当たった。

吉本新喜劇の喜劇じゃあるまいし。
あほらしいったら、ありゃしない。
正面衝突だから、すごく痛い。

思わず正気にもどった。
つくづくだ・・
つくづく私はアホダ・・

は・・深いため息とともに、猛烈な怒りが湧い
てきた。

あいつだ・・あいつのせいだ。くそ・・あの津川
のせいだ。許さん!!!!!!

          つづく

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