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fuuraの小部屋

小説や本について寡黙に妄想。小説家になろうのサイトで人気を得る研究。小説家になるにはどうしたらいいかを研究。でも結局は、まずは小説と詩を書こう 。

霊と怨念のはざまに漂う鐘楼流しの詩に花一輪 第七話

小説

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凛音の為のセコンドの勉強もした。

凛音も喜んで私をリングに上げてくれるといった。

詰め込むだけ詰め込んだ知識を後ろ盾に、私の初
セコンド日は、凛音の世界チャンピオン初防衛戦
の日に決められた。

ラスベガスの大きな会場は満席だった。

私は、凛音以上に興奮していた。

まるで自分が試合をするかのようなドキドキ感だ。

過去いくつも同じようなスポーツのチャンピオン
人生は経験してきたが、その時とは比べ物になら
ないほどのトキメキだ。

凛音がリングの中央で、ゴングが鳴ると同時に私
を見た。

右手で拳を握りしめ、ガッツポーズを示してみせ
た。

凛音との一体感が、全身のほとばしる。

私は、凛音の人生に必要とされているんだと言う
充足感が、走りだしたいような幸福感となって私
を包みこむ。

試合は一進一退だった。

しかし、ほんの小さな隙を見つけ、凛音が怒涛の
攻勢をしかけ、いよいよ最後のフィニッシュとい
う時、攻撃の手を休め私を見た。

また、ガッツポーズだ。

私も、つられて、小さくガッツポーズ。

そのわずかな油断をついて、相手の選手が私の方
に転がってきた。

瞬間、何が起こったのかわからなかったが、相手
の選手がロープ越しに私の首をつかむと、思いき
り締め始めた。

凛音が、慌てて私を助けようとコーナーに近寄っ
てきた瞬間、相手の選手は、やおら、凛音の背後
を取ると、そのまま、コーナーマットを利用して
バックドロップを仕掛けた。

私は、絞められた喉の痛みを和らげる為、ぼんや
りと、そのやり取りを見ていたが、なにか会場が
騒然としている事に違和感を覚えた。

凛音が立ち上がらないのだ。

ぐったりとしたまま、まるで人形のように不自然
に横たわっている

タンカーが運ばれ、直ぐに呼ばれた救急車の中で
も、凛音はぐったりしまままだ。

病院の待合室で、しばらく待ったが、現れた医師
は私にこう告げた。


「奥さまは脳死状態です」

「の・・脳死・・」


事態がまったくのみこめなかった。

    続く

 

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