文学と占いは相通じるものがある

小説家になることを諦めた男のつぶやきです。

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ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿るー2

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「何考えてたの」
「ん・・」

「あたしが寝てるふりしてた時」
「寝てなかったのか」

「怖い顔してたから、寝たふりしてたの」
「怖い顔なんかしてないさ」

「じゃ、面白い顔に訂正してあげる」
「おもしろいことを言う人だ」

「ねぇ・・私の名前覚えてないんでしょう」
「・・・」

「あたりね。私は覚えてるわよ。あんたの名前」
「・・・」

「きじま・・でしょ」

私の名前は舘、木島は同僚の名。偽名を名乗る時よく使う
名前だ。
どうやら咄嗟に偽名を名乗ったらしい。

「偽名でしょう」

女が面白そうに笑った。

そのあと咳こみ、鼻を鳴らすと煙草を又飲んだ。

ひとつひとつの動作が、コケットで愛くるしい。
生まれ持った特徴なんだろう。

今までに付き合ったことのないタイプの女だ。

 

「ふふ・・嘘つけない人ね。」
「舘・・たちだ」


ぶっきらぼうに名乗る私を見つめながら、女は大きく伸びを
した。


やにわに、ベットから立ち上がると、そのまま胡坐をかいた。
裸のままだ。


私はあわてて視線を大きな乳房に移した。
その乳房を見つめる自分に、照れ、女の顔を見た。


おかしそうに女が私を見つめている。

     続く

 

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