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fuuraの小部屋

小説や本について寡黙に妄想。小説家になろうのサイトで人気を得る研究。小説家になるにはどうしたらいいかを研究。でも結局は、まずは小説と詩を書こう 。

ぼやけた女にくすぐられた男の瞳に愛が宿る訳 -1

小説

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女を抱いた後の寂寥感は空しい。

白けた暗闇の水たまりが、心のあちこちにできあが
るからだ。
やがてその水たまりが、一つの塊になって、一気に
私の心を(ストン)と異次元に放り投げる。

そこでどうなる。

 

白けたまま、煙草をふかし、動揺を見透かされない
よう尊大ぶるしかない。

その卑屈さが、また私を(落とす)。

どこまで落ちれば許されるのだ。
だから私は嫌いなんだ。

この(セックス)とやらが。

 

女が動いた。


大きく形良い乳首を淫靡に動かすと、寝がえりを
うった。

栗色の長い髪が女の寝顔を隠しているが、すごい
(上玉)だ。
裸の背中には、うっすらと汗がにじんでいる。

私は(落ちた)というのに女は軽い寝息すらたて
ていた。

 

男と女は本質的に違うのだろうか。
女の寝姿を見ていると、うすら寒い後悔が胸をか
きむしる。

ヤル前と後でこうも気分を落ち込ませるセックス
とやらを、それでも男はやめることが出来ない。

 

気が付くと咥えた煙草が、灰の姿で崩れそうになっ
ていた。
灰皿に煙草を押し付けると、そのわずかな音で起き
たのか、女がこちらに向き直った。

 

透き通った、人の心を見透かす瞳で見つめている。
狼狽と後悔と憐悲と、心の底に淀んだ憎悪
そんな何もかもを見透かす瞳だ。

慌てて名前を思い出そうとしたが、射る瞳の矢に
記憶の塊が持ち去れてしまったのだろうか

 

まるで思いだせない。

まだ、あの見透かす瞳で見つめている。
いや睨んでいるのか。

 

 

「ちょうだい」
「えっ?」
「あたしにも煙草を」
「ああ」

ホッとした私は、アメリカ製のオイルライターで
煙草に火をつけると、咥えた煙草をそのまま女に
渡した。


ライターの冷たさが心地よく手のひらに残っている。

女は何の躊躇もなく煙草を受け取り、大きく吸った。

 

「ふーーうまい」

 

笑顔も可愛い。本当に(上玉)だ。

 

   続く

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