文学と占いは相通じるものがある

小説家になることを諦めた男のつぶやきです。

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抜けるような青い空を見ていたら
いつの間にか故郷についていた

気がつけば空は灰色だ
故郷を捨て
逃げるように這い出した
あの時の空と同じ色だ

来ちまった
呟きは誰に吐いたのだろう

懐かしさなどない
いや、懐かしさの影に隠れた
こだわりが、かい見える

こなけりゃよかった
又呟くが今度はまぎれもなく
自分自身にだ

ここでまみれた18年の垢を取るのに
20年かかった
青春は垢と悔しさと怒りしかない

自暴自棄になり、かろうじて見つけた
自分の中の真実にすがり
故郷を逃げ出した私

今深く息を吸い込み
灰色の空を見上げて
問いただす

お前は何しにここに戻って来たのだ
ここにお前が求めるものが
あると言うのか

もう一度息を吸い込む
足元で子猫がじゃれついた
抱き上げその顔を見た

お前に会いに来たんだ
ここにきっとあるはずだ
私が隠した
笑いと正直の種が

でも空は相変わらず
淀んだままだった

探さないと

笑いと正直の種を

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