fuuraの小部屋

小説や本について寡黙に妄想。小説家になろうのサイトで人気を得る研究。小説家になるにはどうしたらいいかを研究。でも結局は、まずは小説と詩を書こう 。

雉も鳴かずば撃たれまい (小説)

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女は身勝手だ。
身勝手さを自覚しないから女とも言う。
それは私が男だから思う事ではあるのだが・・
             by・・煙草をくゆらす中年男の独白

私の生活スタイルは夜型だ。

嫁はごく普通の生活スタイルだから、当然時間が合わない。
最初の頃は、お互いに時間を合わすよう、努力をしていたが、この歳になると、妥協点を見出し、その結論が
「ある領域からは不干渉」
というルールが暗黙のうちに決められた。


食いたければ自分で作る。
寝る時間もだから自由。
泊まり以外は、お互い時間の制約はしない。

ただし、事前に相手には予定を伝えておく。

このルールは使える。
気兼ねがない。
お互い自分の生活スタイルを構築しやすい。

勿論デメリットもある。

夫婦間の会話が著しく減る。
だからどうだと言われれば困るが、未来を考えれば、これは問題点の一つにはなる。

幸い我が家の掟は、子供も含めて(自立型)だからこの(不干渉)ルールは極めて都合がいい。
ま、ぶっちゃけた話、皆が自己責任で好きなことして生きていこう・・
と考えたらずいぶん無責任ともとらえられるのだが・・・。

そんなわけで、私はよく料理をする。

調理場で料理をする時、嫁が換気扇を必ず回すよう言っていた。
覚えているが、実行しないのが私の癖。
換気扇を回さず、良く調理をして、嫁から注意される。

「カチン」

とくるが勿論黙って換気扇を回す。
非は私にある。嫁は間違ってない。
そこで終わればいいのだが、小言が始まる。

「何度言ったらわかるの」と。

「カチン」が「むかッ」に変わるが、ここは人間の出来た私・・すなおに

「すまん」と謝る。

さらに追い打ちがくる。

「いつもそう言ってしないんだから」

たいがい、こうしつこく来るときは、裏がある。
何か不満が鬱積して、たまたまこの場を借りて爆発させようとしているだ。
この「手」に乗るとろくな事はない。

「悪い・悪い。今後改めるから」

と神妙に謝り、その場は平和に終わる。

翌日嫁が換気扇を回すのを忘れて、調理してるとき壁についてた、釣り棚が外れた。
勿論私は、嫁が換気扇を回さずに調理していることには気づいていた。
あえて、黙っていたのだ。

名誉のために言っておく。決して恐怖からではない。
親切心からだ。

「アッ」と小声で叫び、嫁は私をチラ見すると、斜めに外れかけた釣り棚を直した。

「換気扇回さないと、釣り棚が外れるのよ」

まるで私が悪いかのような言われ方だ。

意味不明のコメントだが、調理中換気扇を回さなければいけない理由を述べたようだ。
よく見れば、嫁がつけた簡易の釣りだな、つけ方がワイヤー二本でつってるだけで、このワイヤーの留め箇所が(熱)で微妙に動き、その振動で外れたのだ。
だから、調理中換気扇を回さないといけないと私に言っていたのだ。

調理をする→熱が出る→簡易に取り付けた棚が熱でふやける→棚が落ちる。
この論法だ。

往々にして女性の論点と男性の論点は違う。

この場合、私にすれば、なぜ換気扇を調理中に回していけないのか教えてくれていれば、また別の対処方法があったのだが。
目的は釣りだなが外れないことであり、換気扇を回さないことではない。
何故釣り棚が外れるかといえば、つけ方がいい加減だから。

説明書通りに着けてない。

そこでビスをもう2本追加し、完全に釣り棚を固定し、もう換気扇を回さなくても外れなくなった。
これで問題は解決したのだが、嫁の機嫌はすこぶる悪い。

私は、悪くない。

私のせいでもない。

むしろ私は褒められてしかるべきだ。

しかし嫁のご機嫌は非常に斜めだ。

私を見すえる目は(非難)めいている。

だから嫌なんだ。
大上段に構えて言うわけではないが、女性と男性の視点は、往々にして違う。

女性は、眼の前の難題をひとつずつ解消していくが、面倒くさがりの男性は、難題はなぜ起きるか、その原因をさぐり、元から解決したがる。
勿論すべての男女がそうだとは言わない。
おおむね、そんなんだ・・と言いたいだけだが。

ところで、お気づきか。

昨日嫁は私に換気扇を回さないで調理する(癖)をなじった。
今日、自分もしたではないか。
自分がするのはいいのか。

しかも、自分はその理由までしってるくせに。

私は、この、両の耳でしかと、そのことについて、嫁から謝りの言葉を聞いていない。
「ごめん」と言うのが筋というものではないのか。

何故、まずは「ごめん」と言えないのだ・・

心の中でふつふつ煮えたぎるこの気持・・
もちろん口に出すほど、私は愚かではない。

過去の忌まわしい記憶は、強烈な学習効果として残っている。

言わぬに越したことはない
・・・・やめとこ。

往々にして・・世の中とは・・こんなもの。

「雉も鳴かずば撃たれまい」

言わぬが花さ・・

ですよね。

   終わり

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