文学と占いは相通じるものがある

小説家になることを諦めた男のつぶやきです。

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紫の空

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空は紫だった
太陽の光りは透明で
紫に絡まれ
熱さえなくしていた

地上とやらはどこに
きえうせたのだ

一匹のゴキブリが
羽根を擦り会わせ
うそぶくと

岩と思われた
あちこちの欠片が
立ち上がり
ゴキブリを取り囲んだ

一つの岩が炎を吐くと
ゴキブリは溶け
そこから美しい
女(にょしょう)が現れた

私を射止めるのは誰
あなた、それとも
あなたなの

岩たちはとたんに縮むと
黒い石炭になってしまった

女は石炭の上に乗ると
天を仰ぎ衣服を脱ぎ捨てた

女から産み落とされた物は
異端
醜い異端

鏡に写った
俺じゃないか