文学と占いは相通じるものがある

小説家になることを諦めた男のつぶやきです。

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何故なんだろう

何故なんだろう 水辺に咲く 曼珠沙華を見ると 思い出す 私の悩みに けっきょく 好きなだけなんだろ 奴は言った 好きなだけとは何だと 胸倉掴んだら つまらないと腕を払われた その奴の目の 寂しさに私は金縛り 寝汗で よく目が覚める 奴の夢を見るからだ 好…

無色透明の世界

夢の色 夢の色って知ってるかい 赤 白 紫 あるいは桃色 ふふ 違うよ 夢の色ってね 無色透明なんだ その夢に色をつけるのは 僕らなんだから www.osaka-bungaku.or.jp 完全オンラインで米国MBAを取得 マサチューセッツ大MBA

のーびろ伸びろもっと伸びろ

のーびろ伸びろもっと伸びろ 智慧がつくと鼻が伸びる 権威がつくとさらに伸びる 金が入ればいよいよ伸びる 取り巻きに褒められ 亡者にしがみつかれ おだてられれば 鼻はどんどん伸びていく とどまるところをしらず 伸びに伸びれば もうあとは おれるしかない…

氷の壁

時間の渦がとぐろを巻いて襲ってくる リミット、リミット 時間の渦は暗黒 リミット、リミット 時間の渦に中心は無い リミット、リミット 時間の渦はただ喰らうだけ リミット、リミット 時間の渦は容赦ない リミット、リミット そして 老いの大王が我を悟らす…

警覚策励(けいかくさくれい)

男の生きる目的は女を抱くことだと そんな事を言う哲学者は多い 女の生きる目的は 死なないことだそうだ 男は女を守り、女の為に死んでいく その男を女は本気で愛おしみ 本気で死にに行くのを止める しかし、男が自分の為に死んでくれることも 悲しみと言う…

矛盾

生きるために私は食べる 食べるために私は捕らえる 捕らえるために私は仕掛ける 仕掛けるために私は思惟する 思惟するから文明が開ける 文明が開けば簡単に捕らえられる 簡単に捕らえられると簡単な殺戮の方法が必要になる 多くの人が食べるためには 多くの…

何色だい?

くれてやる コノイノチ どうとでも コノイノチ 好きにしろ コノイノチ だから コノイノチ だから コノイノチ だから コノイノチ ひとつだけ 聞いてくれ 真心 コノイノチ まごころ コノイノチ マゴコロ この命 君のマゴコロ 何色だい?

水仙

すいせん花言葉 「うぬぼれ」青年ナルシスは美しい。その美貌は数多の女を引き付けた。黙っていても女の方からナルシスに言い寄る 飽きたつまらない女はもういい当然だ、俺が女に好かれるのは ナルシスはいつしか溺れて行った。己の美貌に、己自身もそれが結…

悩ましい

大地の女神が羊飼いに恋をした名をダフニスと言う女神は心の内をダフニスに打ち明けようとしたが鈍感なダフニスには届かない女神は大いに悲しみ、悲しみの代償に花を作った 雷神トールはこの花を愛し保護したこの花を身に着けし者は雷から守られると言い伝え…

赤鬼野郎

生あくび 大きく息を吸い込み 吐き捨てると 頭がクラクラ クラクラ クラクラ クラクラ クラクラ そこに小さな赤い鬼 親指ぐらいの大きさのくせに 妙に生意気な態度 緑の舌をチロリとだし 色付きの息を吐き 唾をまき散らし 踊り喋る ケッケ ケッケ ケッケ ケ…

許されない者

さてさてお立合い ここに一匹の猫がいます 可愛いでしょ で・・・ この猫をば、こうして 皮をはぎ、くるりと裏返せば あら不思議 兎ちゃん 赤いお目目してるでしょ この兎ちゃんの耳をこう・・・ 結ぶとあら不思議 耳から煙が出て ほら 可愛い狸ちゃんに変身…

春が蹴とばした私のぬくもり

春の野郎 私のぬくもりを蹴とばしやがって おかげで心の中は スカスカじゃん お提髪の女の子が 私を見て笑っている あはは あはは 透けてるよって そりゃ透けるさ 身体の中 春のせいで空っぽなんだから そうしたら お提髪の女の子 肩を叩いて ニタリ笑うんだ…

行くしかないだろう

僕の大好きな子猫ちゃんふわふわした手触り愛らしい瞳思わずキスしたくなる口 揺れ動く尻尾に見とれ僕の心もフラフラ揺れ動く 揺れ動く尻尾は催眠の玉心はますます高まっていく 惑わしすぎだよ子猫ちゃんほら、何も手がつかないじゃないかあれも、これも、そ…

春浅いある日 水を飲んでみた 思いのほか冷たい ジャブジャブ じゃぶじゃぶ飲んでいると 水面に映ったくしゃくしゃの私が 水をかけてきた むっとして 拳固でなぐってみたら そのまま湖に引きずりこまれ 綺麗な色に包まれてしまった ここは ひょっとして 地獄…

白い悪魔

白樺の木が倒れた 真ん中から縦に裂けて その裂け目からぬうと現れた 白き悪魔 悪魔のくせに白だとは 鼻の先で笑ってやると 近づいてきて 臭い息を吐いてまくし立てた 白い悪魔がだ 白で何が悪い 悪かないさ しかし、お前今笑ったろうが ああ笑った 悪くない…

尊い事

何食べてるんだいお前は 大人の女が子供に聞いた 人 ひと? そう 人 馬鹿、なんで人なんか食べるんだい だって言ったじゃない 人を殺すのはいけないことだけど 食べるために殺す行為は尊い行為だと 子供はそういうとニタリと笑った 手には血にまみれた刃物が…

誰に聞けばいいんだ

あの子も美人 そのこも美人 あの人も、そこの彼女も みんな、みんな美人 全て手に入れたい 全てに好かれたい 全てに愛されたい 全てを征服したい そんな願望こそが 男の生きる源なんだと 教えてあげたら 頬ひっぱたたかれた 彼女に 世の中 嘘つきばかりが は…

光る切っ先

三角の魂を手に取ってみた ギザギザで痛そう 四角の魂は黒くて汚い 台形の魂は透明で食べごたえがないし 円だ 丸だ 球だ 丸い魂が食べたいんだ 丸くてふわふわした あの魂を 知ってるんだよな 持ってる人を そう あの人 あの人の魂を食べたいんだ 愛おしいあ…

心地よい杭の話

刺さった杭のあまりの柔らかさに 我ながら驚いた 何故刺さるんだ この柔らかさで 触ってみればこの杭温い それにすべすべしている 色もピンク そんな杭に 私は刺さったのだ 抜こうとしたが 抜くのがためらわれる 第一なぜ抜く必要があるのだ こんな心地よい…

紫の包丁

起きたら四人の女に囲まれていた 赤い女 青い女 黒い女 そして紫の女 皆顔はぼやけてよく見えない しかし豊満な胸は女の証 皆すごい胸 そっと手を伸ばし 紫の女の胸の先に触れてみた 紫に意味はない 一番近くだったからだ 突然音が鳴ると くす玉が割れ おめ…

じゃあ死ね

恋をしたい ああしたい とてもしたい 本気でしたい 死ぬほどしたい じゃあ死ね そう 彼女が言った

蝙蝠

昨日蝙蝠になりました 薄暗い洞窟の天井にぶら下がり じっと妄想 妄想 妄想 妄想 ちぇ あの一言 あの一言さえ 言わなければよかったのに 後悔しても 今更だ だからさあ こうして 蝙蝠になってるんじゃないか 穴に入ってさあ

虚しさ

にいちゃん寄ってかない 暖簾越しにやり手婆が誘う 気にしながらも気にせず通り過ぎる その奥にちらり垣間見た派手な着物 どうしようもなく 胸が高鳴る ああ そうか そんなんだ なんだかんだ言っても 俺も男なんだ そんな事思いながら 寂れた遊郭を通り過ぎ…

妖精

ある日の事 大きなあくびをした 開けた口に何かが飛び込んできた 手でつかんで拾い出してみたら 小さな妖精だった しめた チャンスだ もう一度口に放り込み 飲み込んじゃった それからだ 腹黒 腹黒と 腹の底から声が聞こえるようになったのは うるさくってあ…

青空

いい天気だ 久しぶりの青空って感覚がする その青空の下立っていると 焦燥感に襲われる 私は何をしているのだと 空の青が青ければ青いほど 抜ける感が強いほど 焦燥感は大きくなる なんなんだ この感覚って ああ・・ 深い溜息がでた

送別会

また、送別会だ 今度は本気で寂しい なんで辞めるんだと聞いても 頃合いだからと笑って俯くだけ 寂しさと悔しが体中を駆け巡るが だから、どうだと、それ以上何もできない 逢うは別れの始まり よく言ったもんだ 幾人と別れてきただろうか いっそ逢わずじまい…

酒盛り

眠いので 今日は もう もう もう 堕落の仲間と 酒盛りだ

たき火

あくびをしたら顎が外れた 元に戻らない あいつの悪口を言い ゲタゲタ笑ったその時だった 顎が外れたのは お、おまえ 魔女だったのか そう叫びたかったが 顎が外れていて叫べない 魔女ならもっと早く懲らしめてくれよ おいらのこのひん曲がった根性を 今さら…

軽玉

心の奥底で転がる軽玉を蹴ってみた フワンと少し浮き上がるが 落ちる時は早い 軽玉、薄汚いよな 何なんだこれって ま、でもしかたないか 俺の軽玉なんだから つくづく思う 生きるってことは面白い でも面白いけど苦痛だ 苦痛だけならまだしも、無関心さえ襲…

街に出よう

遊びたい 変化が欲しい ドラマチックな出来事が欲しい だから 街に出てみる ぶらブラ、ぶらぶら 彷徨い歩く あてもなく ぶらぶらと 歩くことで心地よい振動が バラバラになった 心の綺麗を整理してくれるのだ 歩くんだ 街を、見知らぬ人ごみの中を そうだ 街…