文学と占いは相通じるものがある

小説家になることを諦めた男のつぶやきです。

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2015-08-23から1日間の記事一覧

或る日 (短編)

絵葉書が送られてきた。山岳写真だ。老いた二人の男女が、年甲斐もなく Vサインを出して楽しげに写っていた。峰子の友人、照代からのハガキだ。照代夫婦は、つい1月程前までは、峰子の隣に住む住人だった。閑静な住宅街で、裏にそびえる小高い山が四季のい…

堕ちた涙

お前が好きだと告白するのなら 俺はお前と付き合って あげてもいいぞそう言ってやった木陰の中で気づけば腹の上に乗っていた 小説が地面に転げ落ちたなんだ妄想か遠くで女学生たちの 笑い声が音符になって 浮いていた手でピストルの形を作ると 音符に狙いを…