悩ましい
大地の女神が羊飼いに恋をした
名をダフニスと言う
女神は心の内をダフニスに打ち明けようとしたが
鈍感なダフニスには届かない
女神は大いに悲しみ、悲しみの代償に花を作った
雷神トールはこの花を愛し保護した
この花を身に着けし者は
雷から守られると言い伝えられた
聖母マリアがキリストの十字架の釘を取り
地面に埋めた。
するとそこからこの花が咲いた
スコットランドに侵略したノルウェー軍が奇襲をかけた
音をたてぬよう忍び足で近づいたが暗闇にこの花が沢山咲いていた。
踏みつけたスコットランド軍は花の棘に悲鳴を上げ
夜襲は失敗した
その花の名は
あざみ
花言葉の意味は
独立・報復・厳格 そして 触れないで!
触れないで!だ。
いま私の彼女は豊満な胸にあざみの花をつけている
私は
私は
そう
実に悩ましいのだ
赤鬼野郎
生あくび
大きく息を吸い込み
吐き捨てると
頭がクラクラ
クラクラ クラクラ
クラクラ クラクラ
そこに小さな赤い鬼
親指ぐらいの大きさのくせに
妙に生意気な態度
緑の舌をチロリとだし
色付きの息を吐き
唾をまき散らし
踊り喋る
ケッケ ケッケ
ケッケ ケッケ
潰してやろうと腰を屈めたら
赤鬼やろう
ニタリ笑い私の目をついてきた
慌てて目を閉じると
赤鬼やろう
手をすり抜け私の中に入って来た
体の中にスーッと
入り込んでいく感覚がする
心のあたりをぐるぐる回り
最後にチクり、私の心を刺した鬼野郎
そのまま私の心の中に
ぺたりと座り込んだ
妙にしっくりしている
まるで昔からの居場所のように
時々散歩するんだよな
私の中の本性
その時だけ
唯一私は
偽りの衣をまとった人間に戻れるようだ
私は人間なのか
或は鬼なのか
ふーむ
誰に聞けばいいのだろう
小説家になろう 作品紹介
またまた素敵ななろう小説紹介です
今回も純文学日間現時点で二位作品
まさに、何なんだこの小説は・・
思わず目頭熱くなっちまったじゃないか・・不覚にも
行間を喚起させ、読ませ、想像させる
しかも書き慣れた筆のピッチ
申し分ない
で、、作家じゃないのか、プロじゃないのか
これ、もうプロの粋ですよ
この作家の他の作品読んで見ればわかりますが
そんじょそこらの作家さんより記憶に残るお話ばかり
それでもプロになれない
純文学の底はどこまで深いのか
呆れるやら腹立たしいやら
それにしても己の才能のなさには愕然とする
これが才能の差と言うのか
あほらしい
どれほど書けばこのレベルにまで到達できるのか
ああ
情けなや・・・・
布団の中に滑り込みふて寝するしかない
それにしても
うまいなあ
他の作品も全部読んじゃおうかな
許されない者
さてさてお立合い
ここに一匹の猫がいます
可愛いでしょ
で・・・
この猫をば、こうして
皮をはぎ、くるりと裏返せば
あら不思議
兎ちゃん
赤いお目目してるでしょ
この兎ちゃんの耳をこう・・・
結ぶとあら不思議
耳から煙が出て
ほら
可愛い狸ちゃんに変身
え、、なんだって
最初から狸が猫と兎に化けていたって
おいおい誰だよ
タネばらすの
やめてくれよ
オイラの商売あがったりじゃないか
うわ
狸まで逃げ出しちまった
やばやば
何にもなくなっちまったじゃないか
こりゃ困ったっぞ
どうしようか
しかたない
また踊り子になって稼ぐか
よいしょ
爆転したらさあ
おいら肌の白い透き通った瞳の
麗しい乙女になっちまった
さあて
稼ぐか
馬鹿な男共をたらしこんで
ふっと目の前にあった鏡見たらさあ
思った以上にオイラ、美人じゃん
だ・・
ダメダメ、、ダメだぞ
惚れちまったようだ
オイラが、オイラに
そうか
そういうことか
だからオイラ
自分が許されないんだ
自分を許せないんだ
なんだ
そーゆーことだったのか
なぁんだ・・・