うそつき
ふざけるな!
テーブルを叩き彼は言った。
別にふざけてなんかいない
本当の事を言ったまでだ。
君は小心者で嘘つきだ
大法螺吹きのコンコンチキだ
彼の瞳は真っ赤に燃えている
私の言葉に怒ったのだろうが
それにしても赤すぎる
突然その瞳から炎が舞った。
炎は全身に舞い、やがて体中があぶられ始めた。
言ったろ
うそつきは燃えるって
燃えて全て焼き尽くされるって
でも私はこの話の結論を知らなかった
燃え尽きたうそつきは、やがて新しい宿主を探し
近くの(人)に寄生することを
何てことない
結局うそつきの彼が私になっただけじゃないか
今私の中にうそつきの彼と
もっとうそつきの私が混在している
いいじゃないか
結局
うそつきなんだから